ブログ(【社長コラム】山と私-なれそめ編―パート2)

時は過ぎ、学生時代に信州の白樺湖畔のホテルでアルバイトをした。知り合いの一人から話を聞き、『シンシュウ』という響きのいい見知らぬ場所へ行きたかった。バスや電車を乗り継ぎ、塩尻へ向かった。リゾートホテルは夏が稼ぎ時、地元の学生もそこでアルバイトをしていた。

休日にすぐ近くの車山に登ろうと誘われ、好奇心で普段着のまま登る。登山口から草原が広がり、点在するニッコウキスゲの清楚なたたずまい、それはそれは岐阜の里山とは違う風景が目の前に広がっていた。途中すれ違う山人は、見知らぬ私たちにも気軽に「こんにちは」と声をかけてきた。服装はニッカーボッカのズボンにアーガイル柄の分厚い靴下。この時、都会的で違う世界を感じた。

そうこうしていると突然黒い雲が現れ、風が吹き、霧で前方を塞がれ雨が体に吹き付けてきた。身の危険を感じ、一目散で駆け降りる。白樺湖が眼下に見えた時は、安堵感で全身の力が抜けた。この時、山は恐ろしいと思った。

次の休日、少し遠いが「美ヶ原」に誘われ、何となく行くことにした。当時ビーナスラインもなく、国鉄のバスは、危険この上ない崖っぷちをいくつも上っていった。終点に着くとそこはあたり一面濃霧が覆い、この世のものとは思われない幻想的な風景が漂っていた。感動で失神寸前とはオーバーかもしれない。この時から『シンシュウの山』というあこがれが脳裏から離れなくなった。

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2019/05/11 更新

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